理事長のつぶやき

【第6便 2020.10】「主体的人生」を支援する

「人が生きることを支える」、精神医学の意義と魅力を医学生や研修医に一言で伝えようとするとき、最近はこう表現しています。専門職として携わっているのは、生活や人生に辛さや困難を抱くことになった方の「生きる」をお手伝いし、「自分」を取り戻していただくことです。

統合失調症について、そうした「主体的人生」に向けた取り組みを発展させようとする試みが、『統合失調症リカバリー支援ガイド-当事者・家族・専門職それぞれの主体的人生のための共同創造』です。日本医療研究開発機構AMEDの開発研究「主体的人生のための統合失調症リカバリー支援-当事者との共同創造co-productionによる実践ガイドライン策定」の成果で、その第1.1版を群馬大学の神経精神医学教室のホームページで公開しました(https://psychiatry.dept.med.gunma-u.ac.jp/topics/2020/04/27/586/)。皆さんからご意見をいただいてより良いものにしたいと考えています。

「自分らしく生きる」は、誰にとっても大切なテーマです。そうした普遍的な側面と、統合失調症に特徴的な側面を総合し、「統合失調症リカバリー支援」が実現できることを願っています。

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【第5便 2020.10】「わかっていないこと」「できていないこと」

学会は、研究の発展により解明された「わかったこと」、実践の進歩により実現した「できたこと」を発表し共有する場です。それとともに、学問と臨床の未来のためには、「わかっていないこと」「できていないこと」を明瞭にしておくことも大切です。統合失調症についてのそうした問題意識を「はじめに」で明らかしているのが、『統合失調症』(中山書店,講座「精神疾患の臨床」第2巻,2020年)です。

精神科専門医や専門医を目指す若い医師が、統合失調症をもつ人や家族の理解や支援について現在の到達点を知り、明日からの診療や研究を一歩ずつより良いものにすることに取り組むための書籍となっています。日本統合失調症学会・監修の『統合失調症』(医学書院 2013年)で挑戦した、専門職とともに当事者や家族やケアラーの立場の方々にもご執筆いただくスタイルが、より発展されています。

「わかっていないこと」「できていないこと」を共有し、日々の診療や研究を地道に積み重ねて、その成果が「わかったこと」「できたこと」として当たり前になる時代を目指していきましょう。

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【第4便 2020.10】学会は誰のために? 学会は何のために?

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、多くの学会や研究会が中止や延期やオンライン開催となりました。そうした経験は、学会のあり方について改めて考える機会となっています。「学会は誰のために? 学会は何のために?」。これまでのアカデミックな学会のあり方をどう発展させることを求められているのかを、日本統合失調症学会として考えていきたいと思っています。

当事者・家族・ケアラーなど、研究者とは異なる立場の方々にも少しずつ入会していただけるよう、ウィズコロナ時代を迎える前の昨年度に、日本統合失調症学会は次のような試みを始めました。①さまざまな立場の方が入会しやすいよう、入会規定を見直しました。②そうした方々の年会費について、負担軽減を図りました。③これまで医学研究者からの応募が想定されていた学術賞や国際学会発表奨励賞の応募規定を、さまざまな立場の方が応募しやすいよう見直しました。

こうした取り組みをさらに発展させて、共同創造を実現できる学会へのリカバリーを目指していきたいと考えています。

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【第3便 2020.4】岩波新書『統合失調症』

この学会で副理事長を務める村井俊哉先生が、一般向けの書籍として岩波新書『統合失調症』を刊行されました。統合失調症の幅広い側面について、オーソドックスな内容がバランス良く正確に記述されており、信頼できるわかりやすい本として、一般の方に安心して推薦できると感じています。そうした本を心がけて、当事者などさまざまな方々からご意見をいただきながら、慎重に書き進められたとお聞きしています。

この本から学ばなければと感じたのは、明らかになっていない内容について、「わからない」と率直に書かれてあることです。専門職はどうしても進歩を強調したくなりますが、一般の方にとってはそれが全体の理解の妨げとなり、誤解や混乱を招いてしまうことをしばしば経験します。「明らかになっていない」と書くためには、知識や経験だけでなく決意と覚悟が必要です。そうした姿勢を見習わなければと思いを新たにしました。そのことは、センセーショナルなものとして注目を集めることを、敢えて避けることでもあります。

そうした執筆にあたっての思いを、村井先生は「統合失調症をあらためて考える」と題して、『こころの科学』210号で語ってくださっていますので、あわせてご紹介させていただきます。この号は「統合失調症の暮らしに寄り添う」という特集で、原稿の執筆を当事者・家族と専門職がちょうど半々で担当しています。

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【第2便 2020.4】新型コロナウイルスと大会延期

ご案内させていただきましたように、3月に予定されていた第15回の富山大会は、新型コロナウイルス感染症のために1年延期となりました。直前まで準備を進めてくださっていた鈴木大会長を始めとする関係の皆さまのご苦労とご尽力に、深くお詫びと感謝を申しあげます。

この新型コロナウイルス感染症により、統合失調症を始めとする精神疾患をおもちの方々は、どのような苦労と困難を経験されているでしょうか? 普段と変わってしまった社会状況のなかで、不安を感じたり、受診や服薬に支障が出たり、地域の支援やサービスが縮小されたり、マスクやアルコールだけでなく日用品の購入が難しくなったり、就労の機会が減ったりなど、さまざまな影響が出ていることを懸念しています。学会としてできることは限られているかもしれませんが、そうしたことに目を向ける学会でありたいと思います。

3~4月の開催を恒例としている日本統合失調症学会は、これまでも自然災害の影響を受けたことがあります。2007年の第2回・富山大会では、3月25日の能登半島地震のために会場のスプリンクラーが作動したり、帰路の交通手段が確保できなくなった参加者が出ました。2011年の第6回・福島大会が予定されていたちょうど2週間前の3月11日には、東日本大震災とそれに引き続く福島第一原子力発電所事故が発生し、予定していた会場は避難所となりました。発生が2週間ずれていたら、統合失調症に関係する多くの専門職が被災当事者をみずから体験することになっていたはずでした。

学会が監修した医学書院『統合失調症』の「序」に、地震と学会にふれた記載がありますので、それをご紹介して今回の大会延期についてご理解をお願いしたいと思います。

「7月に延期して札幌で開催された学会は、福島で予定されていたプログラムがほとんど変更されることなく行われました。どなたも口にはされませんでしたが、それぞれの方が最優先でスケジュールをやりくりされたのだろうと思います。現地での支援だけでなく、そうした形でのささやかな支援の輪が統合失調症の関係者のなかに広がったことを、記しておきたいと思います。」

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【第1便 2020.4】コーナー発足

新型コロナウイルス感染症の影響で異例のWEB開催となった3月19日の総会で、日本統合失調症学会のホームページに「理事長のつぶやき」コーナーを設けることを認めていただきました。その第1便をお届けいたします。

このコーナーは、「学会からの発信を、年1回の学術集会だけでなく、普段から続けていきたい」との思いにもとづくものです。学会の声明という公式のものとは別に、理事長の個人的なつぶやきという形で、会員の皆さんや当事者・家族の方々や広く国民の皆さんと、少しずつ交流を深めていければと希望しています。よろしくお願い申しあげます。

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お知らせ

2020年4月14日

第15回日本統合失調症学会の新しい日程が決まりました

第15回日本統合失調症学会・開催概要

会期:2020年3月20日(金)・21日(土)2021年4月9日(金)・10日(土)延期

場所:富山国際会議場(富山市大手町1番2号)
   https://www.ticc.co.jp/access/

会長:鈴木道雄(富山大学大学院医学薬学研究部神経精神医学講座 教授)

大会テーマ: 研究の最前線から、人生を共に耕すまで

第15回大会ホームページ:http://www.c-linkage.co.jp/jssr15/

※詳細は随時、上記の第15回大会ホームページにてご案内をいたしますので、
ご確認いただけますと幸いです。

【第一報】 新たな日程について
第15回日本統合失調症学会(富山)

2020年3月25日

会員の皆さま

第16回評議員会・第15回総会(2020年3月19日)において、第15回日本統合失調症学会(富山大会)の延期開催が正式に承認されました。
新たな開催日は約1年後、2021年の春になる予定です。
詳細が確定しましたら改めてメーリングリストやホームページで速やかにお知らせします。
皆さま、何卒よろしくお願い申し上げます。

日本統合失調症学会 理事長 福田正人

【開催延期のお知らせ】第15回日本統合失調症学会(富山)

2020年3月8日

みなさま

3月20日(金)、21日(土)に開催を予定しておりました第15回日本統合失調症学会(富山大会)は、延期とさせていただきます。新型コロナウイルス感染拡大リスクの高まりという今般の状況を鑑みて、感染予防を最重視し判断させていただきました。
新たな開催日につきましては、決まり次第速やかにホームページ等でお知らせの予定です。
各方面でご準備いただいていた皆さま、開催に向けてご尽力いただいていた皆さまにおかれましては申し訳ございません。
何卒よろしくお願い申し上げます。

日本統合失調症学会 理事長 福田正人
第15回日本統合失調症学会 大会長 鈴木道雄

新着情報

クロザピンに関する要望書について2020年4月13日

日本統合失調症学会 会員各位

日本統合失調症学会は、統合失調症治療薬のクロザピンの適切な普及を図るために、日本神経精神薬理学会と日本臨床精神神経薬理学会と共同して、厚生労働省に要望を行ってきております。

今般の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う非常事態宣言の発出などの社会的状況を踏まえて、日本精神神経学会を加えた4学会より厚生労働省に対して「外出自粛要請またはロックダウン指示発動時におけるクロザピン検査間隔に関する緊急対応の要望」を提出いたしましたので、お知らせいたします。

理事長 福田正人

「ロゴマークについて」を掲載しました。2020年4月24日

ロゴマークの由来やそこに込められた思いを説明しています。このページの右上の「 ロゴマークについて」のボタンをクリックしてご覧いただければ幸いです。

入会資格の変更2020年3月

「入会について」に新しい入会申込書を掲載しました。

【募集】
2019年度 国際学会若手発表奨励賞のお知らせ

<締め切りました>

日本統合失調症学会 会員各位

2020 Congress of the Schizophrenia International Research Society(SIRS)において研究発表を行う若手会員を対象に、国際学会若手発表奨励賞の募集を行うことになりました。奮ってご応募下さい

1. 応募資格
2020 Congress of the Schizophrenia International Research Society(2020年4月4-8日、フィレンツェ)において発表を行う予定の、大学卒業後16年以内の本学会会員
2. 賞品
受賞者を2021年のJSSR年次集会で表彰するとともに、賞金10万円を授与します。受賞者にはポスターによる受賞報告を行っていただきます。
3. 応募締切
2019年12月20日(金)17時必着
4. 提出書類
①履歴書
②研究業績、③2020 SIRSにおける発表抄録
* ①〜③をメール添付にて事務局(office@jssr.info)にお送り下さい。
* 発表の種別(oral, poster, symposium)は限定しません(sponsored symposiumは除きます)。応募者には後ほど抄録がアクセプトされていることの確認書類をご提出いただきます。
5. 選考・受賞者の発表
理事の採点・評価により若干名を選考します。選考結果は2020年2月頃に発表の予定です。

日本統合失調症学会
理事長 福田正人
理事・国際対応委員会委員長 鈴木道雄

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台湾統合失調症学会(TSSR)年次大会の
Travel Award受賞候補者募集について

<締め切りました>

日本統合失調症学会 会員各位

2019年8月下旬に開催される台湾統合失調症学会(TSSR)年次大会のTravel Award受賞候補者1名を以下の要領で募集します。
受賞者にはTSSR年次大会での発表の機会と、1,000米ドルが与えられます。ふるってご応募下さい。

会期
8月24日(土)・25日(日)
場所
台中市(暫定:決まり次第ご案内します)
応募資格
本学会会員で、統合失調症の研究を行う若手研究者(45歳未満)
提出書類
①CV(英文、様式自由)
②発表演題の抄録(統合失調症に関連した研究、英文500語以内)
提出方法
①および②をメール添付にて、日本統合失調症学会事務局
( office@jssr.info ) にお送り下さい。
応募締切
2019年5月20日(必着)

応募者の中から、日本統合失調症学会理事が審査して1名を選考し、TSSRに推薦します。

日本統合失調症学会
理事長 福田正人
(担当:理事・国際対応委員会委員長 鈴木道雄)
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アーカイブ

ホームページが新しくなりました2018.11.15

症例を提示した報告に関する新倫理規定(ガイドライン)の適用について

日本統合失調症学会 会員各位

2019年4月の日本統合失調症学会札幌大会より、症例を提示した報告では、本人からの同意取得を原則とし、同意取得した旨とプライバシー保護に配慮した旨を明記してください。 日本精神神経学会倫理委員会が作成した「症例報告を含む医学論文及び学会発表におけるプライバシー保護に関するガイドライン」を参考にし、日本統合失調症学会倫理委員会が作成した以下の資料を参照して報告をご準備ください。

日本統合失調症学会

学会監修の書籍 『統合失調症』 (医学書院) 発刊のお知らせ

学会監修の書籍 (専門家向けのテキスト) が発刊されました。

「序」「目次」「統合失調症の基礎知識」 はこちら