学会活動

学術集会

会 期 会 場 会 長 テーマ
第1回 2006.
3.21
全電通ホール
東京都千代田区
岡崎 祐士
三重大学
詳細はこちら
第2回 2007.
3.23-24
富山国際会議場
富山県富山市
倉知 正佳
富山大学
早期診断、
早期治療の推進
第3回 2008.
3.14-15
津田ホール
東京都渋谷区
鹿島 晴雄
慶應義塾大学
症状の脳機構から
治療を考える
第4回 2009.
1.30-31
大阪大学コンベン
ションセンター
大阪府吹田市
武田 雅俊
大阪大学
統合失調症研究-基礎から臨床へ-
第5回 2010.
3.26-27
九州大学医学部
百年講堂
福岡県福岡市
神庭 重信
九州大学
統合失調症の多面的理解とケア
第6回 2011.
7.18-19 ※2011.3.25-26については、東日本大震災により延期
札幌コンベンションセンター 北海道札幌市
(コラッセふくしま:福島県福島市)
丹羽 真一
福島県立医科大学
統合失調症の総合的理解と支援-脳病態から地域生活・家族支援まで-
第7回 2012.
3.16-17
愛知県産業労働センター(ウインクあいち)
愛知県名古屋市
尾崎 紀夫
名古屋大学
統合失調症患者・家族のニーズを適える研究成果を目指して
第8回 2013.
4.19-20
浦河町総合文化会館, 浦河ウエリントンホテル
北海道浦河郡
齋藤 利和
札幌医科大学
共に生きるを考える
第9回 2014.
3.14-15
京都テルサ
京都府京都市
村井 俊哉
京都大学
培ってきたものを活かす。そして、もう一歩先へ。
第10回 2015.
3.27-28
都市センターホテル
東京都千代田区
糸川 昌成
東京都
医学総合研究所
未来を切り拓くために。勇気と想像力をもって。
第11回 2016.
3.25-26
ベイシア文化ホール
群馬県前橋市
福田 正人
群馬大学
脳と仲間と人生と
第12回 2017.
3.24-25
米子コンベンションセンター
鳥取県米子市
兼子 幸一
鳥取大学
ひとりひとりが輝くために・・・~羽ばたこう、次なるステージへ~
第13回 2018.
3.23-24
あわぎんホール(徳島県郷土文化会館)
徳島県徳島市
大森 哲郎
徳島大学
どこまで治る どう生きる
第14回 2019.
4.19-20
北海道大学
学術交流会館
北海道札幌市
久住一郎
北海道大学
皆でつなぐ・支える・共に歩む
第15回 2021.
4.9-10
オンライン開催 鈴木道雄
富山大学
研究の最前線から、
人生を共に耕すまで
第16回 2022.
3.20-21
オンライン開催 笠井清登
東京大学
「研究」の民主化へ
向けた対話
第17回 2023.
3.25-26
オンライン開催 山口創生
国立精神・神経医療研究センター
対話の扉の先へ -足元と未来を共に照らしながら-
第18回 2024.
4.13-14
徳島大学蔵本キャンパス 大塚講堂 他 沼田 周助
徳島大学
統合失調症の現在、そして未来へ
第19回 2025.
4.26-27
大阪医科薬科大学看護学部講堂 金沢 徹文
大阪医科薬科大学
種蒔く人が集う日

日本統合失調症学会創立記念第1回大会が、2006年3月21日(火、春分の日)、全電通ホール(東京)で開催されました。プログラムおよび発表抄録は以下の通りです。

(以下一部を除いて敬称略)

役員会議

理事会
09:00~10:30
評議員会
10:30~11:15

学会総会11:15~11:45

会則と、理事・評議員の追加が承認されました。会員数は188人(現在205人)。第2回大会会長に倉知正佳理事(富山大医学部教授)、第3回大会会長に鹿島晴雄理事(慶応義塾大学医学部教授)が推薦され、承認されました。

日本統合失調症学会創立
記念祝賀会12:00~12:50

開会のあいさつ
小島卓也(JSSR理事長)
経過報告
丹羽真一(JSSR副理事長)
祝辞
高橋清久(国立精神神経センター前総長・精神・神経科学振興財団理事長、藍野大学学長)
鹿島晴雄(慶應義塾大学医学部教授、日本精神神経学会 副理事長)
鮫島 健(日本精神科病院協会会長)
鷲見 学(厚生労働省精神保健福祉課長補佐)
保崎秀夫(日本精神保健福祉連盟会長)
小松 正泰(全国精神障害者家族連合会理事長)
臺  弘 (東京大学元教授)
閉会のあいさつ
倉知正佳(JSSR副理事長)

アジア統合失調症研究者の意見交換会
「アジア統合失調症学会の可能性」18:00~20:00
(進行:丹羽真一、Hai-Gwo Hwu )

アジア諸国統合失調症研究者代表(国名アルファベット順)
Irmansyah (Indonesia)
Tsuyoshi Akiyama (Japan)
Yong  Sik Kim (Korea)
Chan-Hyung Kim (Korea)
Saroja Krishnaswamy (Malaysia)
Kua Ee Heok  (Singapore)
Hai-Gwo Hwu (Taiwan)
Pichet Udomratn (Thailand)

創立記念第1回大会プログラム

記念講演09:00~10:30

  • 「日本統合失調症学会への期待と要望」抄録
    • 伊藤正男(理化学研究所脳科学総合研究センター)
    • (座長:岡崎祐士)

記念シンポジウム「統合失調症研究の焦点」14:00~16:00

  • 尾崎紀夫 「分子病態研究の焦点」抄録
  • 福田正人 「画像・生理学的病態研究の焦点」抄録
  • 西川 徹 「治療薬開発研究の焦点」抄録
  • 岩田和彦 「心理・社会的治療研究の焦点」抄録
  • (座長:鹿島晴雄、武田雅俊)

国際ワークショップ
「アジアにおける統合失調症の臨床と研究の課題」16:00~17:30

  • Irmansyah (Indonesia)抄録
  • Tsuyoshi Akiyama (Japan)抄録
  • Yong Sik Kim (Korea) 抄録
  • Chan-Hyung Kim (Korea)抄録
  • Saroja Krishnaswamy (Malaysia)抄録
  • Kua Ee Heok (Singapore)抄録
  • Hai-Gwo Hwu (Taiwan)抄録
  • Pichet Udomratn (Thailand)抄録
  • (座長:佐藤光源、Min-Soo Lee)

公開講演会
「統合失調症は現在どこまで治るか、治せるか」18:00~20:00

  • 小島卓也 ごあいさつ
  • 平安良雄 「統合失調症はどのような病気か:最近の進歩」抄録
  • 石郷岡純 「統合失調症治療薬の作用の仕組みと開発見通し」抄録
  • 安西信雄 「薬物治療以外に必要な統合失調症の治療や環境」抄録
  • (司会:大久保善朗、飯森眞喜雄)

学術賞(学会賞 / 大会賞)

「日本統合失調症学会学術賞」は、統合失調症の研究と臨床の 一層の進展と少壮の精神医学研究者・臨床家の育成を目的として 創設されました。
なお、第16回評議員会・第15回総会(2020年3月19日)において、学術賞は「学会賞」(医学分野、医療保健福祉分野)と「大会賞」(一般演題賞、Travel Award )とに明確化しました。応募規定はこちら「PDF」。

  • 第1回

    [最優秀賞]
    新井 誠 (東京都精神医学総合研究所)
    カルボニル性統合失調症の発見と臨床応用
    [優秀賞]
    橋本 亮太(大阪大学大学院医学系研究科)
    統合失調症の包括的遺伝子解析研究
    [一般演題賞]
    優秀賞3名 奨励賞8名 Travel Award 1名
  • 第2回

    [最優秀賞]
    高橋 努 (富山大学大学院医学薬学研究部)
    統合失調症の脳形態変化:臨床応用に向けて
    [優秀賞]
    宮田 淳 (京都大学医学部附属病院)
    統合失調症のコネクティビティと社会的認知
    [一般演題賞]
    優秀賞3名 奨励賞5名 Travel Award 6名
  • 第3回

    [最優秀賞]
    内田 裕之 (慶應義塾大学医学部)
    統合失調症のより安全かつ有効な薬物療法
    [優秀賞]
    小池 進介 (東京大学大学院医学系研究科)
    統合失調症発症前後の前頭前野機能評価
    [一般演題賞]
    優秀賞2名 奨励賞4名 Travel Award 2名
  • 第4回

    [最優秀賞]
    山崎 修道 (東京都医学総合研究所)
    精神病症状を持つ当事者への包括的心理社会的
    支援に関する研究
    [優秀賞]
    笹本 彰彦 (京都大学大学院医学研究科)
    統合失調症:脳形態からのアプローチ
    久島 周 (名古屋大学大学院医学系研究科)
    ゲノム解析に基づいた統合失調症の病態解明
    [一般演題賞]
    Travel Award 5名
  • 第5回

    [最優秀賞]
    堀 輝 (産業医科大学医学部精神医学教室)
    統合失調症の認知機能や社会機能改善を
    抗精神病薬薬物療法の観点から今できること
    [優秀賞]
    木下 誠
    (徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部精神医学)
    DNAメチル化修飾とホモシステインに着目した
    統合失調症の病態解析研究
    國井 泰人
    (福島県立医科大学医学部神経精神医学講座)
    統合失調症死後脳内の網羅的及び標的指向的
    タンパク質発現解析
    [一般演題賞]
    優秀賞1名 奨励賞2名 Travel Award 5名
  • 第6回

    [医学分野]
    前川 素子
    (理化学研究所脳科学総合研究センター分子精神科学)
    頭皮の毛根細胞を用いた統合失調症診断補助
    バイオマーカーの開発
    [医療保健福祉分野]
    西田 淳志 (東京都医学総合研究所精神行動医学研究分野)
    精神病様症状体験がありながら援助を求めることができない青年期の自殺関連リスク
    [一般演題賞]
    優秀賞1名 奨励賞1名 Travel Award 4名
  • 第7回

    [医学分野]
    久保田 学
    (放射線医学総合研究所分子イメージング研究センター)
    統合失調症における進行性脳変化とIQの変化との関連についての研究
    [医療保健福祉分野]
    山口 創生
    (国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所)
    統合失調症を含む精神障害者に対するスティグマとの是正に向けた戦略の科学的検証
    [一般演題賞]
    優秀賞1名 奨励賞2名 Travel Award 4名
  • 第8回

    [医学分野]
    藤野 純也
    (京都大学大学院医学研究科精神医学教室)
    (現 昭和大学附属烏山病院)
    統合失調症の意思決定の特徴とその神経メカニズムについて:神経経済学的アプローチ
    [一般演題賞]
    優秀賞1名 奨励賞2名 Travel Award 4名
  • 第9回

    [医学分野]
    木村 大樹
    (名古屋大学大学院医学系研究科精神医療学寄附講座)
    統合失調症に強く関わるリスク変異同定と病態解明
    :新規治療法開発を目指して
    [医療保健福祉分野]
    金原 明子
    (東京大学大学院医学系研究科精神医学教室)
    統合失調症を含む精神疾患をもつ患者に対する
    支援のあり方に関する研究
    [一般演題賞]
    優秀賞1名 奨励賞2名 Travel Award 3名
  • 第10回

    [医学分野]
    該当者なし
    [医療保健福祉分野]
    該当者なし
    [一般演題賞]
    優秀賞1名 奨励賞3名 Travel Award 3名
  • 第11回

    [医学分野]
    笹林 大樹
    (富山大学学術研究部医学系神経精神医学講座)
    脳構造指標に基づいた精神病性障害の発症予測:国内多施設共同研究
    [医療保健福祉分野]
    該当者なし
    [一般演題賞]
    ※第15回富山大会はCOVID-19により2021年4月にオンライン開催
    優秀賞1名 奨励賞2名 Travel Award 3名
  • 第12回

    学会賞

    [医学分野]
    越山 太輔
    (東京大学医学部附属病院精神神経科)
    MRIおよび脳波を用いた統合失調症の病態研究
    [医療保健福祉分野]
    該当者なし

    大会賞

    [一般演題賞]
    優秀賞1名 奨励賞1名 ※Travel Awardは該当者なし
  • 第13回

    学会賞

    [医学分野]
    塩飽 裕紀
    (東京医科歯科大学 精神行動医科学分野)
    統合失調症の新規シナプス自己抗体の探索と病態解明
    [医療保健福祉分野]
    該当者なし

    大会賞

    [一般演題賞]
    1名 ※Travel Awardは該当者なし
  • 第14回

    学会賞

    [医学分野]
    菊地 佑樹
    (こだまホスピタル、東北大学大学院医学系研究科)
    日本人のための、より安全なクロザピン導入プロトコルの検討
    [医療保健福祉分野]
    臼井 香
    (国立精神・神経医療研究センター)
    一般地域住民の思春期におけるこころの不調と脳の発達の関連:縦断コホート研究

    大会賞

    [一般演題賞]
    優秀賞1名 奨励賞3名 ※Travel Awardは該当者なし
  • 第15回

    学会賞 募集

    募集期間
    2024年9月25日(水)~12月25日(水)
    募集
    ・医学分野1名(表彰状、副賞5万円)
    ・医療保健福祉分野1名(表彰状、副賞5万円)
    年次学術集会(今回は第19回大会、2025年4月26-27日、大阪府高槻市)にて表彰します。
    第15回学会賞募集要項・応募フォーム(xlsx)
    ※受賞者には第20回日本統合失調症学会(2026年開催予定)の当事者・一般市民向け講演にて、研究知見のご発表をお願いする可能性があります。
    応募書類送付先
    日本統合失調症学会事務局
    〒113-8655 東京都文京区本郷7-3-1
    東京大学医学部附属病院 精神神経科内
    E-mail: office@jssr.info

学術賞(第1回~第3回)寄附者御芳名

第1回~第3回において、本事業の趣旨にご賛同いただいた皆様のご理解とご協力に厚くお礼申し上げます。寄附者の皆様に感謝の意を表し、御芳名を掲載させていただきます。(アイウエオ順)

大塚製薬株式会社・大日本住友製薬株式会社・日本イーライリリー株式会社・ノバルティス ファーマ株式会社・吉富薬品株式会社

※なお学術賞寄附金の募集は第3回までとして、現在は行っておりません。

国際学会若手発表奨励賞(国際対応委員会)

Schizophrenia International Research Society(SIRS)の年次大会などにおいて研究発表を行う若手研究者(会員)を対象に募集するものです。応募規定はこちら「PDF」。

第1回 2019年度

  • 大井 一高(岐阜大学大学院医学系研究科精神病理学)
  • 笹林 大樹(富山大学学術研究部医学系神経精神医学講座)

※2020 Congress of the Schizophrenia International Research Society(2020年4月4-8日、フィレンツェ)の中止または延期に伴い、延期の場合は延期された日程で、中止の場合は次回に発表いただく。

第2回 2021年度

  • 長谷川 尚美(国立精神・神経医療研究センター)
  • 松本 純弥(国立精神・神経医療研究センター)

※いずれもThe 7th Congress of the Asian College of Neuropsychopharmacology (AsCNP) 2021において発表。

第3回 2022年度

  • 越山 太輔(東京大学医学部附属病院)
  • 22nd World Psychiatric Association (WPA) World Congress of Psychiatry (WCP)において発表。
  • 藤田 芳久(京都大学医学部附属病院)
  • Neuroscience 2022において発表。
  • 山田 悠至(国立精神・神経医療研究センター病院)
  • 32nd International Congress of Clinical Neurophysiology (ICCN)において発表。

第4回 2023年度

  • 篠原 陸斗(市立釧路総合病院)
  • Neuroscience 2023において発表。

第5回 2024年度 募集要項

  • 1. 応募資格:
    2024年(2024年1月から12月)に開催される国際学会において発表を行った、本学会の学術賞応募規定「PDF」を満たす者。

    2. 賞品:
    受賞者を2025年のJSSR年次集会で表彰するとともに、賞金5万円を授与します。受賞者には2026年開催のJSSR年次集会で受賞報告を行っていただきます。

    3. 応募締切:
    2024年12月25日(水)17時必着

    4. 提出書類:
    ①履歴書、②研究業績、③国際学会における発表抄録および学会プログラムのコピーなど発表内容が確認できる資料
    * ①〜③をメール添付にて事務局(office@jssr.info)にお送り下さい。
    * 発表の種別(oral, poster, symposiumなど)は限定しません(sponsored symposiumは除きます)。心理社会的な分野の発表も奨励します。

    5. 受賞者の選考:
    理事の採点・評価により若干名を選考します。

その他

5学会による提言書「精神疾患克服に向けた研究推進の提言」

精神医学研究の推進に関する提言書です。

3月は「自殺対策強化月間」です

3月は内閣府がすすめる「自殺対策強化月間」です。

丹羽真一 前理事長 就任あいさつ

日本統合失調症学会 前理事長就任の御挨拶

福島県立医科大学・会津医療センター・精神医学講座 特任教授
福島県病院事業管理者
丹羽真一

2014年3月13日に開催されました日本統合失調症学会理事会で選出され、翌14日の評議員会・会員総会にて承認されましたので、前任の岡崎祐士先生の後を受け新しく理事長を拝命することとなりました丹羽真一です。理事長就任に当たりまして一言御挨拶を申し上げます。

本学会は精神医学、精神科医療、精神保健福祉の分野で取り組まれるべき最大の疾患の一つである統合失調症の様々な側面の研究を互いに交流し、疾患理解を深め、当事者の利益につなげることを目的 とした専門的な学会です。2006年3月に本学会の第1回総会が開催された時から、より正確に言えば2004年に学会設立準備が開始された時から本学会に参加し関わってきた者として、理事長拝命は名誉なことと受けとめております。

前理事長などの御尽力により、本学会は学術賞創設、「統合失調症」(医学書院)の出版、他学会との協働による「精神疾患克服へ向けた研究推進の提言」発表など多くの事業に取り組んできております。謎の多い疾患の多面的な研究を通じて、当事者の役に立つ医療保健福祉が提供される結果につながるよう、今後とも事業展開してまいりたいと考えております。

具体的には、次の4つの「つなげる」を実現できるように尽力してまいりたいと思います。

1) 研究成果を当事者の幸せにつなげる

2) 病因・病態研究を臨床へつなげる

3) 基礎研究の成果を臨床へつなげる

4) 日本の統合失調症研究をアジア・世界へつなげる

以上、手短ですが就任の御挨拶とさせていただきます。
御協力・御指導をよろしくお願い申し上げます。

丹羽真一 前理事長 退任あいさつ

日本統合失調症学会 前理事長退任の御挨拶

福島県立医科大学・会津医療センター・精神医学講座 特任教授
福島県病院事業管理者
丹羽真一

私は岡崎祐士先生の後を受け、2014年3月より本学会理事長を務めさせていただきましたが、70歳を迎えましたので学会会則の規定により2017年末をもちまして理事長を退任させていただき、福田正人新理事長(群馬大学教授)に引き継がせていただきました。この4年間の理事、評議員、会員の皆様始め各位の御支援・御協力に御礼を申し上げる次第です。私は、今後は一評議員として学会運営に御協力させていただく所存でございます。

この4年間の間に、本学会内のことにつきましては、1)学会員の増加( 319人 → 364人)、2)学会諸規則の整備(倫理規定など)、3)学会賞の選考、などを進めてまいりましたが、他学会との協同による事業としましては、1)日本神経精神薬理学会・薬物療法ガイドライン作成タスクフォースへの協力、2)日本神経精神薬理学会日本精神神経薬理学会との協同によるクロザピン適応拡大、3)学会ホームページでの脳科学辞典へのリンクをおこないました。また、アジアの関連学会との交流をすすめ、毎年の学会大会長の先生方の御尽力により、Asia Young Scientist Travel Awardの選考と受賞者招待、台湾統合失調症学会での招待講演者の選考と派遣を行いました。本学会の理念であります統合失調症当事者・家族の支援と協働の分野では、パブリックリレーション強化および質問促進パンフレットやリカバリーガイドライン作成を学会として後援いたしました。こうした学会事業の進展にあたりまして頂きました皆様の御支援・御協力に改めまして感謝申し上げます。

また、私は本学会の国際対応委員会の委員長も務めさせて頂いておりましたが、その委員長を鈴木道雄先生(富山大学教授)に引き継がせていただきました。鈴木先生は私とご一緒に長く本委員会の委員をお勤め頂きましたので、今後のアジアをはじめ国際連携にお力を発揮していただけるものと確信いたしております。

2018年1月からは理事長を福田正人先生にお願いすることとなりました。福田先生にはこれまで副理事長として学会運営を積極的に進めていただいてまいりましたので、安心してこれからの学会運営をお願いできます。福田正人理事長、村井俊哉副理事長、笠井清登事務局長によります今後の学会運営に引き続き御支援と御協力をいただけますようにお願い申し上げ、退任の御挨拶とさせていただきます。

福田正人 新理事長 就任あいさつ

日本統合失調症学会 理事長就任の御挨拶

群馬大学 大学院医学系研究科 神経精神医学
福田正人

2018年より理事長を務めさせていただくことになりました福田から、一言ご挨拶を申しあげます。

これまで、小島卓也先生、岡崎祐士先生、丹羽真一先生が理事長として発展を牽引してこられた日本統合失調症学会は、いよいよティーンエイジャーを迎えました。思春期という統合失調症にとって大切な時期は、私たちが自分らしさを形作っていく時期ですので、日本統合失調症学会もそのような発展を目指していきたいと考えています。

昨年の理事会で理事の皆さまにご覧いただいた文章でそうした思いを述べたことがありますので、その一部をご紹介させていただきます。会員の皆さまにその趣旨をご理解いただき、今後の学会の成長と発展のために力を合わせていただけますよう、よろしくお願い申しあげます。

* * *

新しい時代の学会のモデルを目指す日本統合失調症学会

日本統合失調症学会は、「研究者が学問を発展させる学会」と「当事者や支援者に貢献できる学会」の両立を目指していくべきだと考えています。昨年開催した第11回大会で、会長講演のタイトルを「統合失調症学会のリカバリー」としたのは、そうした思いからです。

大会では、シンポジウムのテーマに当事者や支援者のニーズと関連する内容を取りあげ、演者として当事者や支援者にもご登壇いただき、昼食や記念品を地元の当事者団体から手配するなど、研究者と当事者や支援者が同じ会場で共同創造co-productionできることを目指しました。特別講演にヨーロッパ精神医学会のGaebel会長をお招きしたのも、同じような考えのもとguidance paperの発行を中心になって推し進めている研究者だからです。大会運営については、「自力運営の社会実験」を試みました。こうした方向性は、監修を担当した医学書院『統合失調症』でも追求したものです。

日本統合失調症学会は、精神疾患名を冠した学会のモデルとして、当事者や支援者と真の意味で手を携えた方向に歩みを進めています。その発展のために力を尽くしたいと考えています。